まとめ|作文・小論文の書き方と学び方

日本の作文・小論文指導は非常に未熟

日本では、作文・小論文の指導が、成熟していません。日本人は、そもそもディベートや説得が苦手な上に、以下のような事情もあります。

  • 塾の先生は、そもそも卒論ぐらいしか書いたことがない
  • 予備校の先生は、指導生徒数が多すぎて、指導が行き届かない
  • 論文を書くのに慣れている人は、塾・予備校では教えない
  • 添削サービスも、「1回添削して終わり」というケースが多い

そのため、塾・予備校の指導は、『課題の内容を解説する』だけで、『個々の生徒に書き方を教える』指導にはなっていません。

恐ろしいほどの量の文章を指導してきました

私はたまたま、仕事の関係上、以下のような作文・小論文・論文答案を、何百・何千と添削・指導してきました。

  • 都立中受検のための作文
  • 高校受験・大学受験(AO入試・医学部入試)のための小論文
  • 大学院受験のための小論文
  • 法学部・法学研究科の論文
  • 就職・昇進のための小論文

そして、そこで見てきた答案の傾向と、培った指導ノウハウを、このページでご紹介できればと思っています。コンテンツ量は多いですが、ぜひ、丁寧に読んで頂ければと思います。

執筆者紹介
  • 私立開成中学・高校 卒業
  • 私立上智大学 法学部 卒業
  • 私立上智大学 法学研究科 卒業

経営コンサルタントとして、経営改善と人材育成に従事。大手企業の経営指導や、官公庁の就業ルールの策定なども実施。人材育成では法務コンプライアンスの指導や、契約書の作成・チェック、企画書・レポートの作成などを指導。大手学習塾において、教室責任者に従事した経験もあり、小学校低学年の補習から、各種受験・大学院受験・社会人入試なども担当。

1.無料添削のご案内

課題 ※どちらか又は両方
  • 課題文を読んで要約してください。
  • 「知識」と「学習」について、あなたの考えたことを、作文・小論文にまとめてください。
提出の仕方

『お問い合わせ』から、文字かJPEG/PDFで提出してください。要約だけでも、作文・小論文だけでも構いません。また、字数は自由ですが、内容に蛇足や抜け漏れがないように、取り組んでみてください。

出題校
  • 東京都千代田区立九段中等教育学校

2.作文・小論文対策の考え方

3.作文・小論文を書く手順

4.作文・小論文の正しい復習

5.作文・小論文対策でよくある質問

問いに答えるだけでいい
  • 何か特別なことを書こうとしていませんか?
  • 書き出しは、出題されていることにしっかり、シンプルに答えるだけで構いません。
書き出しはシンプルに方針を示す
  • 「どう思うか」と聞かれていたら、「私は、●●について、××と思います」と書けばよいのです。
  • 「賛成か反対か」と聞かれていたら、「私は、●●について、賛成/反対です」と答えればよいのです。
体験は極力シンプルに
  • 体験は、「誰が、何を、どうしたら、どうなった。今後はどうしようと思った」というような内容を、シンプルに説明するようにしましょう。
  • 体験が長くなるほど、意図が伝わりづらくなってしまいます。
要素をしっかり伝える訓練
  • 体験を書く上で大切なことは、「自分の意見の説得力につながること」です。
  • 『説得力』につながらない内容は、しっかり削り取ることも、作文の技術の1つです。 
あります

作文・小論文は、読書感想文のような自由作文ではありません。

そのため、採点基準に乗っていない答案であれば、わりと簡単に0点になる可能性があるんです。

0点になりうる答案の例

以下のような場合、0点答案になる場合があります。

  • 「読書は大切か?」という課題で、「大切ではない」という意見で作文した場合。
  • 「クローン技術の問題点」という課題で、「科学の発展のためになら、クローンの作成を無制限に認めるべきだ」という意見で作文した場合。

つまり、受験生として非常識的な内容だったり、非人間的なこと・合理的なことを主張するような内容の場合、0点になる可能性があります。

どんなに説得力があったとしても、そんな生徒、合格させたくないのです。

例)ラーメンとカレーライスのどっちが好き?

この課題で考えてみましょう。あなたなら、どう作文しますか?

どちらを選んでも良い?

これについては、どちらを選んでも問題はないでしょう。

どんな理由付けをしても良い?

そんなことはありません。以下、答案例で検討してみます。

×

おなかが一杯になるからカレーライスの方が好きです。
たくさん食べれば、どちらを食べても、十分におなか一杯になるはずですね。このような文章では何の説得にもなっていません。

× 

ラーメンは、食べた後すぐおなかが減ります。カレーライスではそういうことがありません。だから、カレーライスの方が好きです。

食べている量が違うかもしれません。そのようなことへの配慮をしなければ、説得力がありません。

おなじぐらいの量食べた後でも、ラーメンは、食べた後すぐおなかが減っています。カレーライスではそういうことはありません。だから、カレーライスの方が好きです。

「おなかが減る」「そういうことはありません」という断言が強すぎて、信ぴょう性に不安があります。減点はされないかもしれませんが、高い評価はしづらいです。

同じぐらいの量を食べた後でも、ラーメンだと、ちょっとすると「おなかがすいた」と思うことが多いのです。その点、カレーライスではそう思うことは少ないです。だから、カレーライスの方が好きです。
これなら、個人の感想・意見であることがしっかり明示されていて、良い説得であると言えます。

6.作文・小論文の検討例

課題1:本の読み方について考える

課題

資料を参考に、自分が本を読むときに心がけるべきことについて、400~460字で書いてみましょう。

出題校
  • 東京都立大泉高等学校附属中学校
  • 東京都立小石川中等教育学校
  • 東京都立富士高等学校附属中学校
  • 東京都立武蔵高等学校附属中学校
  • 東京都立両国高等学校附属中学校
文章1

かこさとしさんが本を書く際に意識してきたことについて書かれている課題文です。

  • 20年後でも通用しているように本を書く。
  • 自然法則に反しないように本を書く。
  • 身近なものを題材に本を書く。
文章2

かこさとしさんが考えている、科学の本を作るポイントについて説明している課題文です。

  • おもしろくて、総合的で、発展的であるように本を作る。
    • おもしろさ:「もっとよく調べる」「もっと違うものを読む」につなげる。
    • 総合性:本質や全体像を明示する。
    • 発展性:科学観や社会への視点、未来への洞察を盛り込む。
  • 文章2で、かこさとしさんが子供たちに、『科学の本』からどういうことを読み取ってほしいか、分かりやすく説明してくれています。
  • その上で、文章1で、『科学の本』を読む際に、現在の考え方と未来の考え方が違う可能性があり、どういうことを自分で調べられるようにならなければならないのか、示してくれています。
  • ざっくり言えば、かこさとしさんは、主体的に読書をすること、そして、自分でしっかり調べ、それを知識と探求心につなげていくことを、読者に望んでいます。
  • そういう読書姿勢をしっかり作文できれば、十分合格答案になるでしょう。

課題2:著者の意図について考える

課題

資料にある二つの文章を読んで、あなたはどのようなことを考えたか、400~500字で書いてみましょう。

出題校
  • 東京都立桜修館中等教育学校
資料

文章A わかろうと焦ったり、意味を考えめぐらしたりなどしても、味は出てくるものではない。だから、早く飲み込もうとせずに、ゆっくりと舌の上で転がしていればよいのである。そのうちに、おのずから湧然として味がわかってくる。(和辻哲郎「露伴先生の思い出」)

文章B 大事なことは、困難な問題に直面したときに、すぐに結論を出さないで、問題が自分の中で立体的に見えてくるまでいわば潜水しつづけるということなのだ。それが、知性に肺活量をつけるということだ。(鷲田清一「わかりやすいはわかりにくい?―臨床哲学講座」)

文章1

俳句を楽しむときの心構えを述べた文章です。

  • 分かろうと焦らない
  • 舌の上で転がしていればよい
    =楽しみながら待つ
  • おのずから分かってくる
文章2

物事を考えたり判断したりするときの心構えを述べた文章です。

  • 困難な問題に直面したら、すぐに結論を出そうとしない
  • 分かってくるまで、我慢し続ける
  • そうすることで、知性に肺活量がつく
  • 文章Aは、「楽しみたいなら焦るな」、文章Bは、「解決を焦るな」と述べています。
  • 2つの文章の共通している点としては、「理解したいなら焦るな」ということが指摘できます。
  • 2つの文章の異なる点としては、文章Aは、解決を目的としていないこと、積極的な取り組みをも戒めている一方、文章Bは、解決を目的としつつ、自分の知性のために結論を出さないだけで、積極的な取り組み・我慢(=潜水)を要求している点が指摘できます。
  • 作文を書く方針としては、以下のようなものがあげられます。
    • どんなことに対しても、粘り強く、高いレベルを求めていく。
    • できないと思っても、簡単にはあきらめない。
    • もっと深い面白さや学びがあるかもしれないから、解決したように見ても、もう少し探求してみる。 他

課題3:人類の未来について考える

課題

資料によると、「人間がロボットに近い存在になる」ということは何を失うことだと本文から読み取れますか。また、そのことについて、あなたはどう思いますか。460~500字で書いてみましょう。

出題校
  • 東京都立白鷗高等学校附属中学校
テーマ
  • 人間のロボット化、機械化
ポイント
  • ロボットの役割は、仕事をしてもらう存在から、愛護される対象として生まれ変わろうとしている。
  • ペットと異なり、ロボットは、予測不能な行動は想定されていない。
  • 文章の意味を考えずに、言葉を検索して頭の中で個々の属性だけをつなげ合わせるAI的な中高生は少なくない。
  • 著者のメッセージは簡単で、『ロボット化』するなという内容になっています。
  • 中高生・受検生に求めるメッセージも簡単で、ポイントのところで書いたことの反対のことを考えれば問題ありません。
    • 文章の意味をきちんと考えよう。
    • 言葉を検索して頭の中で個々の属性だけをつなげ合わせるAI的な考え方はやめよう。
  • 体験では、言葉の意味を考えずに失敗した経験や、意味が分からないまま進めてしまって、後で苦労した経験を書けばよいでしょう。
  • 著者のメッセージが強いので、オリジナリティを出しやすい作文ではありません。

課題4:情報の扱い方について考える

課題

資料Bを参考に、『信頼性の欠落』の例を一つあげ、なぜ信頼性が欠落してしまうのかその理由を説明してみましょう。その上で、その信頼性を高めるにはどうしたらよいかについて、合計400~450字で書いてみましょう。

出題校
  • 東京都立立川国際中等教育学校
資料A
  • 翻訳者として大切なのは、「こだわりを捨てて読み、こだわりをもって訳す」姿勢である。
  • コミュニケーションでも、まずは相手のいうことをそのまま聞くべきだ。
  • 翻訳をやるためには、日本語の力が必要だ。
  • 翻訳力は、リサーチ力でもあり、特に原典にあたることは大切だ。
  • 中学生・高校生のときから、わからないこと・疑問に思ったことは、すぐに調べるくせをつけておくとよいと思う。
資料B
  • コンピューターには、情報の真偽などの質を見極めることはできない。
  • 最近の情報は、どこの誰が責任をもって発しているのかがわからず、いい加減な情報も多い。
  • 本を通して知ることと、ネットを通して知ることは違う。
  • 本を読み、しっかり考えるようにしてほしい。
  • 著者のメッセージは簡単で、情報に接したら、しっかり原典にあたり、自分で考え、判断するようにしようという内容になっています。
  • 作文課題で求められている『信頼性の欠落』については、この意味の理解は難しくないと思いますが、その『例』を挙げなければならず、それは簡単ではないでしょう。
  • 『例』をダラダラ書いてしまうと、『信頼性を高めるためにはどうしたらよいか』の部分の記述や、自分の意見などについて、字数の余裕がなくなってしまうので、気を付けなければなりません。
  • まずは、著者のメッセージをしっかり整理し、例を考え、例をコンパクトにまとめ、しっかり作文できるように準備しなければなりません。
  • 課題文やそのメッセージは分かりやすいですが、正しい順番で正しく考える必要があり、難易度のかなり高い問題です。

7.個別指導講座のご案内

指導テーマ
  • 線の引き方・段落要約の指導
  • 課題文を要約する指導
  • 答案を構成する指導
  • 答案を添削する指導
指導の流れ
  • まずは、ポイントを端的に指摘できるようになるまで、線の引き方と段落ごとの要約を行います。
    ⇒60~90分・2~3回程度
  • 線の引き方や段落要約に慣れてきたら、課題文全体を要約して、著者の意見などを整理してもらいます。
    ⇒60~90分・2~3回程度
  • 課題文をしっかり理解することに慣れたら、良質な過去問を1日に2~3つ選んで、答案構成してみます。
    ⇒習得には大きな個人差あり
  • 答案構成に慣れたら、作文・小論文を書き始めます。表現や構成を丁寧に直すことで、『完璧な答案』を書けるようになるための訓練をします。
    ⇒対策不要になるまで

8.無料相談・答案提出

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