作文対策の正しい手順

1.要約力を鍛える

ポイント①:著者の主張の整理
  • 『要約力』というのは、『著者の主張と根拠を端的に説明する能力』です。
  • 著者が言いたいことを、30字程度で要約できるように訓練しましょう。
  • 「ある程度まとまっていればよい」のではなく、要素の過不足のない、完璧な文章にしなければなりません。
ポイント②:議論の構造の整理
  • 議論には通常、『価値観の対立』があります。
  • どちらにも、絶対にNOではない理由があるから、議論は成立するのです。
  • 『どういう価値がぶつかっているのか』『それぞれの根拠は何か』を自分で整理できなければ、正しい議論ができません。
要素の過不足のない完璧な文章にする
  • 要約をさせると、多くの人は要素をいろいろ拾ってつなぎ合わせます。
  • そういう要約の場合、だいたいの内容が含まれるので、「だいたい合ってる」ように思えます。
  • しかし、「だいたい合ってる」程度のことなら、誰でもできるのです。
  • 大切なことは、「重要な要素が抜けていないか確認すること」と、「一文節一文節、余分な要素がないか確認すること」なのです。
価値観の対立を正確に把握する
  • 議論が発生する場合、どちらを選んでもよいからこそ、議論になります。どちらかを選ぶしかないとしたら、その議論は成立しません。
  • 洋服を買う際に、「Mサイズを買うかLサイズを買うか」という議論は、「買う」ことはもう決めていて、MサイズLサイズ選べるからこそ、議論になります。
  • MサイズLサイズ、どちらかの在庫がないなら、MサイズLサイズの間には価値観の対立は発生しません。
  • なお、Lサイズがないとしても、「Mサイズを買うか、買わないか」という議論は、別途、成立します。
議論の構造を正確に整理する
  • 『価値観の対立』が整理できたら、それぞれの主張の根拠を整理します。
  • A案B案があるとしたら、A案のメリットとデメリット、B案のメリットとデメリットを確認します。
  • 何を重視すると、どう結論が変わるのかを丁寧に把握します。
  • 「著者は何を重視しているから、どう結論づけている」ということを確認します。

過不足のない完璧な文章にする正しい添削例

著者は、ラーメンも好きだがカレーライスも好きだ。

  • 「両方好きだ」と言いたい文なら、この要約で良い場合もあります。
  • どちらかより好きなものがあるなら、この要約は誤りということになります。

著者は、カレーライスは好きだが、ラーメンの方が手軽だと思っている。

  • 「カレーライスは好きだが」の一文は必要でしょうか?「ラーメンの方が手軽だ」ではダメでしょうか。
  • 「ラーメンの方が手軽だが、カレーライスの方が好きだ」の方が適当ではないでしょうか。
  • 「カレーライスは手軽ではない」の方が適当ではないでしょうか。

2.答案構成力を鍛える

ポイント①:『体験』の『関連性』
  • 体験は、ストーリーが上手に書かれていればよいというものではありません。
  • 体験が、自分の主張・根拠に対して関連性がなければなりません。
  • 「反対の立場より自分の立場の方が良い」という観点で、説得力が高いかどうかを判断できるようにならなければなりません。
ポイント②:上手な『まとめ』
  • 作文の最後には、『まとめ』を書きます。
  • 『まとめ』では、「課題文・体験から何を学んだか」「今後、どのように行動していくか」という『学び』について書く必要があります。
  • 自分の思いを一番説得するところです。上手にまとめられるように訓練しておかなければなりません。
作文の構成は『起承転結』ではない
  • 作文全体を『起承転結』で書いてはいけません。『起承転結』は、面白い物語の型でしかないのです。
  • なお、体験は、「誰が何をどうした。そうしたところどうなった。こういうことを学んだ。」という形で良いです。これはまさに、『起承転結』ですね。
『まとめ』は最初に考える
  • 第3段落の『まとめ』を書き始めた段階で、何を書いたら良いのか分からなくなって、結局、第1段落と同じようなことだけ書く生徒が少なくありません。
  • 前までの段落で書いた内容は、全てこの『学び』に向けた一貫性がなければなりませんが、他の要素を書いた後に『学び』を考えると、こじつけになってしまう場合が少なくありません。
  • かといって、『まとめ』まで来てしまったら、他の要素を書き直す時間は、普通は確保できません。
  • そのような事態を避けるために、『まとめ』は最初に考えて、『まとめ』から逆算して、その前の段落に書く内容を決めるようにしましょう。
体験の『関連性』を意識する
  • 『主張』『根拠』は大抵の人が同じようなことを書くため、点数の差が付くのは、『説得(=体験)』の部分です。そのため、『関連性』は一番重視すべき要素なのです。
  • しかし、「その体験に関連性があるか」ということについて小学生に指導することは、簡単ではない上に、身につけるまで地道に取り組む以外ありません。そのため、とても大切なのに、放置されているケースが非常に多いです。
  • さらに、「その体験が書くべき最適な体験か」という点については、生徒から「書いた意図」を確認する余裕がないため、ほぼ放置されています。
  • そういうことを、丁寧に指摘し、上手に指導してくれる先生に出会えればラッキーです。
参考:『関連性』は裁判でも重視される大事なポイント
  • 刑事裁判においては、『証拠』の『関連性』が非常に重要視されます。
  • 「異なる前科がある」という事実があったとしても、今回もやったとは限らりませんから、通常、『関連性』は認められません。
  • ただし、「同種の前科があって、犯行内容が似ている」という事実があれば、『関連性』が認められる場合があります。
  • 『関連性』は、小学生でも十分理解・判断可能です。しかし、言葉で説明してすぐ身につけられるものでもありません。
  • 多くの体験を分析することで、『関連性を判断するスキル』を身につけていきましょう。

3.文章力を鍛える

ポイント①: 1文1文を見直す
  • 算数や英語では、解答に余分なものが少し加わっているだけでも×にされるのに、作文では、誤りですら放置されるケースが多いです。
  • 余分な表現がないか、説明が足りない部分がないか、1文1文丁寧に確認して、成長につなげなければなりません。
ポイント②:『完璧』にする
  • どんな科目でも、完璧な答案をミスなく再現できるようになるまで、演習をやめないはずです。
  • 作文では、「ミスなく再現」は難しいとしても、完璧な作文になるまで復習をやめてはいけません。

完璧な文章に直す正しい添削例

私は先日、サッカーの試合に出ました。そして、初めてスタメンに選ばれました。とても、緊張しましたが、スタメンから落ちてしまったメンバーが、「俺の分まで頑張って」と言ってくれたので、思い切り頑張ることができました。

私は先日、サッカーの試合に出ました。そして、初めてスタメンに選ばれました。

私は先日、初めてスタメンに選ばれ、サッカーの試合に最初から出られました。

  • 時系列がバラバラになるのは、作文のよくある失敗例です。
  • 物事が起きた順序を誤ると、因果関係も変わってしまいますから、気を付けて書くようにしましょう。

とても、緊張しましたが、スタメンから落ちてしまったメンバーが、「俺の分まで頑張って」と言ってくれたので、思い切り頑張ることができました。

最初、とても緊張していました。しかし、スタメンから落ちてしまったメンバーが、「俺の分まで頑張って」と言ってくれたので、緊張がほぐれました。そして、思い切り頑張ることができました。

  • 1文が長くなりすぎて、因果関係がゴチャゴチャになるのも、よくある失敗です。
  • 内容を整理して、1文1メッセージを意識して書きましょう。